2020年は、コロナの影響で今までやってきた避難者支援が思うようにできなくなりましたが、少人数でもいいから誰かと会いたい、話したいという相談が多数あったため、声を上げた避難者が主体となり、交流やワークショップなどの企画サポートを行いました。被災者の訴訟に関わる弁護士や大学教授によると、避難者のPTSD(外傷後ストレス障害)には誰かと話すことが大切とのこと。交流では環境を変えることで気分転換にもなりました。ワークショップは避難者が講師になる場合もあり、また、お手伝いしたいという避難者の方への支援もできたので、今後の就労につながる貴重な機会となりました。


2020.11.17(火)避難者交流(びわ湖バレイ)

 

自粛中、誰とも会えなくて苦しかったなどの相談があった方同士で話し合い、開放感のある場所でしっかり感染症対策しながら交流できる機会になればと企画。びわ湖バレイは偶然にもテレビで見て行ってみたいという話が重なったため、この場所での開催になった。

独身の方、子どもを連れて避難している方、初めて会う方、年代もそれぞれ違ったが、話に花が咲いた。環境を変えることで気分も明るくなった。避難の経緯や置かれた環境、考えがちょっと違ってもそれぞれの思いを言えていたことも、刺激になったのではないかと思う。


2020.11.24(火) 薬膳鍋講習

 

場所:キッチンNagomi

 

薬膳鍋講習を兼ねて避難者の交流ができないかという提案があり、企画のサポートをした。講師は避難してから薬膳マイスターの資格を取得したお母さん。

コロナの関係もあり、対策を万全にしながらの実施。主催者が講師となって、材料や薬膳の説明を丁寧にしていただき、一人一人真剣に話を聞いていた。鍋を囲みながらの食事は避け、一人分ずつ配膳。薬膳料理は、普段なかなか食べる機会がないので、珍しい材料もあり、質問もあったり、携帯で調べたりしながら興味津々で参加していた。味は間違いなく美味しくて、何度もお代わりして、話も尽きなかった。帰りは手作りお弁当を準備し、各自お持ち帰りいただいて、満腹な日となった。みんなで協力しながら片づけし、無事に終了した。


2020.11.25(水)白雲山荘ビール講習

 

以前講習に参加して楽しかったので交流として予定できないかとの提案があり企画。自家製ビールを作るのは初めてな事ばかりだったが、3時間の講習の後は、自家製ビールはじめ、手作りの窯で焼いた自家製ピザ、サラダ、持ち寄ったご馳走をいただきながらの交流となった。当日は宿泊者もおり、一緒に講習に参加し、宿泊の方たちともいい交流の機会となった。

この日は福島からの避難者ばかりで話も尽きなかった。

 

最近の悩みを打ち明けた参加者もいて、誰かにもやもやした思いを打ち明けることですっきりしてまた新たな気持ちで頑張れるのだなと感じた。

白雲山荘では月に2回ビール講習があり、宿泊も可能とのこと。次回は宿泊を兼ねて企画したいと話していた。


2020.12.5(土) 白味噌作り講習

場所:キッチンNagomi

 

自宅でお味噌作りや食育の講師をしている避難者のお母さんからの提案で、避難者からも何人かお味噌作りをしたいという声が上がったので、講習を兼ねた交流はどうかということで企画した。講師には前もって浸水した大豆をゆでておいてもらい、当日はしっかりコロナ対策をしながら、皆で薄皮をむいて蒸したあと、麹と混ぜてつぶす作業をした。また、キッチンに関わっているイタリアンシェフにお味噌を使ったメニューを取り入れたランチを用意していただき、お味噌の味や、そのほかの料理を堪能した。

自家製味噌を作ることにみなさん興味があり、毎日子育てするように発酵させる作業を、とてもワクワクして聞いていた。以前、味噌作り教室に参加していた方が、その時に作った味噌を持参してくれて、触らせてもらったりした。味噌は、毎日袋を開けては揉んで、少しずつ柔らかくなっていく様子が見れる。酵母は、一人一人菌が違うので各家庭で味も違う。優しく扱うことによってより美味しくなる。今回は白味噌だったが、次回は米味噌を作ってみようという話もあがった。話に花が咲いてなかなか片付けが進まなかった場面もあったが、みんなで協力して片づけ無事に終了した。